未知と驚異の悦びという恩寵へ踏み出すために

上野の国立科学博物館でやっている「ラスコー壁画展」が非常に面白かったので、古代の人々の想像力と芸術の起源についての著作を参照しながら思いを馳せる。

バタイユの『ラスコーの壁画』ーバタイユは久しぶりだけれど、いま読むと2万5000年前に描かれて奇蹟的な保存状態で現代に現れたラスコー壁画に託して、自身の超越的なもの(奇跡、恩寵、驚異的なもの、期待を超えるもの、情緒的な衝動)に対する思索が展開されているのだということがよく分かる。

他には
港千尋『洞窟へ』
デヴィッド・ルイス=ウィリアムズ『洞窟の中の心』

それと関連して
エルネスト・グラッシ『形象の力 合理的言語の無力』
ポール・ド・マンロマン主義のレトリック』
ワイリー・サイファー『文学とテクノロジー

(1/21追記)
アルフォンソ・リンギス『変形する身体』
現代思想 人類学のゆくえ』2016年3月臨時増刊号

思えば年始めの岡本太郎の芸術と呪術についての本との再会が始まりだったな。今年は非合理な方向へと触手を伸ばしてみようと思う。
キーワードは「非合理」「崇高」「ロマン派」となるか。まとめというよりも今後の方向性としてリスト・アップ。