関東支部例会

日本英文学会関東支部の例会に初参加。
例会ということで、規模は小さめでしたが、シンポジウム・研究発表・その後の懇親会と一通りのユニットはそろってました。今回特別な趣旨で行われていた懇親会は失礼して、シンポジウムと研究発表のみ見学。

シンポジウムでは、サッカレーの「虚栄の市」での黒人表象を取り上げた富山先生の話が興味深かったです。「ヴィクトリア朝での帝国と植民地の関係や、人種問題を取り上げるのに、サッカレーが言及されることが少なかったのはなぜか」という問いから始めて、「虚栄の市」での黒人描写やホガースその他の絵画に触れ、「当時のイギリス国内でも黒人はかなり可視的な存在だった」とまとめられたのが、中心軸だったように思います。他にもいろいろ面白い枝葉はついてたのだけど、ヴィクトリア朝門外漢の僕にまとめられるのはこの程度ということで。

発足して間もないということもあるだろうけど、年2回の例会と1回の大会を開催しているということが、関東圏の研究者層の厚さと、その求心力となる先生方の懐の広さを感じさせました。