明日の神話

所用で東京へ出ることがあったので、少し足を伸ばして、渋谷駅構内に公開された岡本太郎の「明日の神話」を見に行く。

テーマが核実験ということもあって、広島の美術館も誘致していたとは聞いていたが、駅の構内に決まったのはよかったのではないかと思う。多くの人目に触れるというだけでなく、その気の無かった通りすがりの人を立ち止まらせるという意味でも。

縦5メートル、横30メートルの壁画は、当然のことながら少し離れて見ることになるが、それがまた作品と観衆の間に発生する不可侵空間のようでもあった。とはいえ駅の構内なので、その間を絶えず人は行き交うわけで、両者が同居する雑多な感じも「芸術は万人のためのもの」「芸術はいやったらしくなくてはならない」と言っていた岡本太郎の作品の設置場所としてアリではないかと思った。しかも、何だかよく分からないが、とにかく未だ形にならざるエネルギーに満ちた渋谷に。

こんな機会でもないとこの界隈に来ることもなかったろうから、ついでに岡本太郎の作品が置いてある青山の子供の城と、岡本太郎記念館を8年ぶりくらいに再訪。当時の自分は(多分いま以上に)色々なことに行き詰まりと不安を感じてて、ここで励まされたなーといったことを思い出す。

それから気になって購入したままになってた赤坂憲雄岡本太郎の見た日本」を読み始める。
岡本太郎の見た日本