対談集2冊

ここのところ、何となく河合隼雄の対談を2冊。他にもたくさん出てるが、何年も前に村上春樹の(内容はさっぱり覚えてないけど、面白かった覚えはある)を読んで以来。河合隼雄の亡くなった直後に記された小川洋子によるあとがきに、河合先生について書くつもりが「なぜか自分の思いばかり書いてしまう」とあったのが印象的(そういえば村上春樹もよくしゃべってたのに驚いた)。患者からたくさん聞いた話は、「だいたい忘れてしまう」という河合隼雄の言葉も意外。それも訓練の結果なのだろうな。

茂木健一郎との対談で挙げられていた患者の例。

わりと普通の話をして帰って行ったのに、気がついたらものすごく疲れている場合があるんです。その場合はもう、その人の病状は深い。・・・それはやっぱり、こちら側が相手と関係を持つために、ものすごく苦労してる証拠ですね。話の内容は簡単なんですよ。それではないところで、ものすごい苦労してるわけ。

たしかに、普通に話してるだけなのに疲れる人というのはいる、といくつか顔が思い浮かぶ。

とここまで書いて、「自分はどうなのだ」と振り返ってもみるが、多分に思い当たる節もあるものの、せっかく書いたので、このままにしておく。

生きるとは、自分の物語をつくること こころと脳の対話