ゲームの名は・・・

「小説はハードカバーで買う」のが信条(何ともうらやましい)の、センターのある先生から、東野圭吾聖女の救済」をご厚意で貸してもらってチビチビと読み進める。

(以下の話は作品の内容とは無関係の話です。念のため)

そのことを同期の体育の先生に話したところ、「俺も読んでるんだよ」とのこと。どうやら僕よりも先に進んでるようだ。

そのときはそれっきりだったのだが、しばらくして研究室に彼から電話がかかってきて、「いま2××ページまで読んでるんだけどさー、俺、謎が解けちゃったんだよ」とのこと。

僕などはミステリー読んでて、そんな天啓が降りてくることなどほとんどないので、「ああ、そう」と人ごとのように聞いていたのだけど、彼が「あくまで推測だから、いましゃべっていい?」と無茶を言うので、「さすがにそれは待って」と遠慮する。

すると彼が、「じゃあ、今から俺の推理を紙に書いて封筒に入れてMさんとこに持っていくから、小説を最後まで読み終わったら確認してみてよ」とのこと。今までそんな律儀な読み方してる人が周りにいなかった(もしかしたらみんな密かにやってるのか?)ので、軽く驚く。

それから10分くらいして自分の推理を入れた封筒を持って来た彼が一言。「じゃあ、Mさんが2××ページまで読んだら、同じように推理を書いて俺に渡すことにしようよ」
って、勝手に決めるなよ・・・。とも思ったが、むげに断るのも無粋なので受けることにする。

さて、2××まで読んでみたが、ミステリー素人の自分などはさっぱり分からん・・・ではゲームにならないので、それなりに書いて渡しに行く。新鮮な感じで、結構緊張した。

結論から言うと、同僚の予想はいい線行ってたように思う。そして、僕のを読んだ彼は「いやあ、笑わせてもらったわ」とのこと。それでも、束の間のゲームは結構楽しかった。

上の彼とのやりとりを読み直してみて、「告白」「自白」「証言」が、いかにどうにでもなる(可能性を秘めている)か、ということが実感できたのも収穫だったかな。彼が嘘をついていた、とは思わないけれど、そうすることも十分できた、という意味で。そして、そんな疑いを持つ必要なく周囲が動いていることにも感謝。

というミステリー素人の感想。