教務担当と野生の王国

4月中旬頃のこと。

新年度が本格的に始まり、教務担当としても実動開始。
まずは新入生対象に行った学力試験をもとに、習熟度別のクラス分けから。とはいえ、理工系大学。英語が苦手な学生が多いので、中級も初級もほとんど点差は変わらない。数点差にひしめき合う集団に何とか線引きをして、事務方に渡す。

昼休みも英語の履修相談で学生が頻繁に訪れる。
「専門科目と英語が重なってしまった」、とか「クラスが難しいので変えたい」とか「先生が合わないからクラスを変えたい」とか、叶えられるもの叶えられないもの、迷える子羊たちからの訴えに個別対応。
昼休みが終わり、ようやく一波過ぎたところで、半分食べたまま机の上に置きっぱなしになってたおにぎりを頬ばって授業に向かう。ガイダンスとはいえ、大学側からの指導もあり、あまり早く終わるわけにもいかないのでプリントを配って結局ほとんど授業。

授業の合間に講師控え室に行って非常勤の先生方にご挨拶。3年目の自分などよりここでのキャリアが豊富な先生方ばかりなので、失礼のないよう慣れない気を遣う。

しばらくは事務と学生と非常勤の先生方への応対に明け暮れる日々だな。


と思っていたら、早速大きなミスを犯す。
対応に走り回り、事務方には大変なご迷惑とご苦労をかける。


疲労困憊したので、週末はどこにも行かず、家で寝てて…というわけにもいかず。うちの子たちは最近、休みの日に限って早起き。
天気はいいけれど、遠くに出かける気力も財力もないので、近くの公園に家族でピクニック。中を流れる浅い人工の小川を見て、お兄ちゃんは「入りたい」と連呼。まだ4月とはいえこの時は暑いくらいだったのでパンツ1枚(本人は『裸でいいよ』というのだが、さすがにもうすぐ5歳だからなぁ)にして放つと、犬のように飛び込む。
そして横を見ると、敷物から四つ足で這い出した妹が芝生をむしってうまそうに食べていた。獣のような兄妹を微笑ましく眺める。まさに野生の王国
そして、妻は四つ葉のクローバーを見つける。しかも2つ。

幸せは身近な足もとにあるものかな、などと月並みなことを実感した日。